オイラー |
オイラーはサンクトペテルブルグで流体の講義を行っていたが、その最後の講義ではいつも講義ノートを破いて橋から紙片をネヴァ川に流し、生徒にその動きを観察させていたらしい。ある年に数学者ラグランジュ(Joseph-Louis Lagrange, 1736-1813)がオイラーを訪ねてきてその最後の講義を聴いていた。オイラーがいつものように最後の講義で紙片を川に流すと、ラグランジュは橋から川に飛び込んで川の流れに乗って紙片の動きを観察したという[1]。
流体力学や気象学では、オイラー的な見方(Eulerian method)とラグランジュ的な見方(Lagrangian method)という2つの考え方がある。この逸話が流体運動をオイラー的に観察するかラグランジュ的に観察するかの違いのいわれとなったそうである。
ネヴァ川 |
(次は「地球環境の長期監視の重要性」)
[1] James Rodger Fleming 2016: Inventing Atmospheric Science: Bjerknes, Rossby, Wexler, and the Foundations of Modern Meteorology, The MIT Press.
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