2018年12月27日木曜日

インターネットの発展と文献

 インターネットの普及は過去の資料へのアクセスを劇的に改善している。古い文献に関して、蔵書を確認して図書館へ出かけなくても、デジタル化されてインターネット上で公開されているものがある。例えばイギリスの王立協会が1665年から出している学会誌「哲学紀要(The Philosophical Transactions of the Royal Society)」は大半がデジタル化されオンラインで公開されている(https://royalsocietypublishing.org/journal/rsta)。1735年のハドレーによる有名な大気循環の論文なども、机上のPCから読むことができる。
1735年のハドレーの論文
 また、学会誌だけでなくロバート・フック「顕微鏡図譜(Micrographia)」、ガスパール・ショット「珍奇学(Technica curiosa, sive mirabilia artis)」など、昔の貴重な書籍もデジタル化してインターネット上で公開されている。「気象学と気象予報の発達史」の中でも、図4-1~4-3、図4-11などそれらからいくつかの図を掲載させていただいた。

 欧米での過去文書の扱いの重視には驚かされる。昔から公文書館のようなものがきちんと整備されていることもあるが、古い大学の図書館などでも歴史文書のデジタル化が積極的に行われ、公開されているものも多い。そういったデジタル化にはGoogleなどの大企業もボランティアで貢献しているようである。この本はそういったデジタル化されて公開されている古い文献の恩恵を受けている。

 文献の知識を集約することによって新たな知識が生まれることもある。古い文献のインターネットでの公開が、今後もっと進むことを願っている。

(次は「ムンクの「叫び」とクラカタウ火山」)


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