2018年12月19日水曜日

ペリーとレッドフィールド

 本の6-1-5「嵐の構造についての発見」で、1831年にアメリカで船舶運行会社を経営していたレッドフィールドが、倒木の方向を使って初めて嵐の風のパターンについて分析を行い、エール大学のオルムステッド教授の勧めでそれを論文として発表したことを述べた。この論文は嵐に備える安全な船舶航行のための研究としても広く関心を呼んだ。
 アメリカ海軍の提督マシュー・ペリー(Matthew Calbraith Perry, 1794-1858)は、レッドフィールドの研究に大変興味を示し、その成果が船舶の航行安全の向上に貢献すると賞賛していた 。ペリーは嘉永6年(1853年)7月と嘉永7年(1854年)2月に日本の開国を促すために日本遠征(いわゆる黒船来航)を行ったが、その航海途中で1854年2月7日~12日の琉球から江戸湾に至る航路での風向・気圧、気温・水温、海流の流向流速を測定していた [1]。

ペリー提督

 後にペリーは、日本遠征時に幕府が見せた相撲の様子やペリーが贈った小型の蒸気機関車をデモンストレーションする様子など数多くの挿し絵を含んだ日本遠征の公式の報告書である「ペリー艦隊日本遠征記(Narrative of the Expedition of an American Squadron to the China Seas and Japan)」を出版したが、その報告書第2巻の中には日本遠征時の気象観測データを用いたレッドフィールドによる太平洋の嵐の研究が含まれている。例えばその中には1853年7月17日から28日まで日本を離れたサスケハナ号とミシシッピ号が遭遇した台風の位置記録と気圧計の記録、そして台風の特徴の分析もあった [1]。
 レッドフィールドによる嵐の研究は、ペリーによる日本遠征の際にも航海の安全のための知識として利用されていたかもしれない。

(次は「初めての風力計」)

参照文献

 [1]蘭学・地球温暖化・科学と帝国主義・歴史と気候、オランダ史料. 塚原東吾. 16, 東京大学史料編纂所, 2006年, 東京大学史料編纂所研究紀要

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